レイヤー、グループ、マスク
レイヤーパネルは、ドキュメントの地図です。すべてのレイヤー、グループ、オブジェクトが、ページ上の重ね順どおりに 1 つのリストに並びます。表示と非表示、ロック、名前の変更、並べ替え、選択に使い、どのオブジェクトがどのレイヤーにあるかもひと目でわかります。
以下のショートカットは macOS の表記で記載しています。Windows と Linux では、⌘ を Ctrl、⌥ を Alt、⇧ を Shift と読み替えてください。
レイヤーパネル
ウィンドウ › レイヤー(F7)から開きます。リストの最上位にはレイヤーが並び、各レイヤーの内容(グループ、パス、テキスト、画像、ピクセルレイヤー)がその下に入れ子になって、開閉できるツリーとして表示されます。コンテナ(レイヤーまたはグループ)の行の左端には小さな三角形があり、クリックするとコンテナを折りたたんだり展開したりできます。作業していない部分を折りたたんでおけるので、階層の深いドキュメントも見やすく保てます。
パネルの下部には 2 つのボタンがあります。新規レイヤーを作成は、現在アクティブなレイヤーのすぐ上に空のレイヤーを追加し、そのレイヤーをアクティブにします。選択項目を削除は、選択しているものを削除します。ドキュメントには常に少なくとも 1 つのレイヤーが残るので、最後のレイヤーはこの方法では削除できません。レイヤー、グループ、オブジェクトの名前を変更するには、リストで名前をダブルクリックして入力し、Enter を押します。複雑なドキュメントの各部分に名前を付けておくのが、迷わずに作業する一番の近道です。
各行の表示内容
行を左から右へ見ていきます。
| 部分 | 機能 |
|---|---|
| 目 | そのレイヤー、グループ、オブジェクトの表示と非表示を切り替えます。目がオフの行は描画されず、プリントや書き出しもされません。 |
| 鍵 | 行のロックとロック解除を切り替えます。ロックされたオブジェクトは、カンバス上で選択も編集もできません。 |
| カラーチップ | レイヤーの行のみ。レイヤーのカラーラベルで、そのレイヤーの選択マークやハイライトの色付けに使われます。 |
| 三角形 | コンテナのみ。レイヤーやグループを開閉して、中身を表示します。 |
| 種類のアイコン | グループとクリップグループを示します(クリップグループは破線のアウトラインで表示されます)。 |
| 名前 | 名前、または名前がない場合は <Path> や <Group> のような山かっこで囲まれた仮の名前。ダブルクリックすると名前を変更できます。 |
| 選択の四角形 | 右端にあるレイヤーの色の小さな四角形で、現在の選択範囲の一部を含む行に表示されます。 |
レイヤーとグループ
レイヤーは、ドキュメントの最上位の入れ物です。アートワークの無関係な部分を分けておくためにあります。背景を 1 つのレイヤーに、メインの絵を別のレイヤーに、ラベルを 3 つ目のレイヤーに、という具合です。レイヤーはツリーのルートにあるので、レイヤーを非表示、ロック、並べ替えすると、中にあるものすべてが一度に動きます。
グループは、レイヤーの中(または別のグループの中)に置かれる小さな入れ物で、アートワークと一緒に移動します。ロゴやアイコンのパーツなど、1 つのものを構成する部分をまとめるにはグループ化を使います。そうすれば、それらが 1 つの単位として移動、拡大・縮小、重ね順の変更を行います。グループもレイヤーとまったく同じように、パネル上で自身の三角形を使って開閉します。
レイヤーとグループには、重要な点で共通する振る舞いがあります。どちらも表示・非表示、ロック・ロック解除ができ、中のすべてに適用される独自の不透明度と描画モードを持てます。違いは役割です。レイヤーはドキュメント全体を整理し、グループは個々のオブジェクトを結び付けます。
グループ化とグループ解除
2 つ以上のオブジェクトを選択してオブジェクト › グループ(⌘G)を選ぶと、それらがグループにまとめられます。オブジェクト › グループ解除(⇧⌘G)は、選択したグループのオブジェクトを再び取り出します。グループは入れ子にできるので、グループのグループも作れます。⇧⌘G を押すたびに 1 階層ずつ解除されます。同じいくつかのオブジェクトを何度も選択していると気づいたら、グループにまとめましょう。
重ね順:前面と背面
オブジェクトは背面から前面へ順に描画されるので、重なっている部分では前面に近いオブジェクトが背後のオブジェクトを覆います。パネルはこの順序をそのまま表示します。一番上の行が最前面のオブジェクトで、一番下の行が最背面のオブジェクトです。オブジェクトの順序を変えると、何が何を覆うかが変わります。
最も手早く並べ替えるにはドラッグします。行をつかんでリストの上や下にドロップするとスタック内で移動し、レイヤーやグループの上にドロップするとオブジェクトがその中に移動します。選択したオブジェクトを別のレイヤーに移すのもドラッグで行い、カットやペーストは必要ありません。
選択範囲をスタック内で移動するには、オブジェクト › 重ね順を使います。
| コマンド | ショートカット | 効果 |
|---|---|---|
| 最前面へ | ⇧⌘] | レイヤー内の一番前まで移動します。 |
| 前面へ | ⌘] | 1 段階前へ移動します。 |
| 背面へ | ⌘[ | 1 段階後ろへ移動します。 |
| 最背面へ | ⇧⌘[ | レイヤー内の一番後ろまで移動します。 |
必要なシェイプが別のシェイプの後ろに隠れているときや、背景が絵の上に来てしまったときに使います。重なり合ったオブジェクトを順にたどるには、選択 › 前面のオブジェクト(⌥⌘])と背面のオブジェクト(⌥⌘[)で選択をスタック内の上下に移動します。他のアートワークの下に埋もれたものに届くのに便利です。
表示と非表示
行の目のアイコンをクリックすると、そのレイヤー、グループ、オブジェクトが非表示になり、もう一度クリックすると元に戻ります。非表示の行は描画、プリント、書き出しのいずれにも加わらないので、削除せずに何かをどけておくには非表示にするのが安全です。細部の 2 つのバージョンを比べるときや、混み合ったカンバスを作業中の部分だけにするときに使います。
メニューでも、現在の選択範囲に対して同じ操作ができます。オブジェクト › 隠す › 選択(⌘3)は選択しているものを非表示にし、オブジェクト › すべてを表示(⌥⌘3)は非表示にしていたものをすべて表示します。
ロック
行の鍵のアイコンをクリックするとロックされます。ロックされたオブジェクトは表示されたままですが、カンバス上で選択も変更もできないので、周囲で作業している間も安全です。レイヤーをロックすると、その上のすべてが一度に保護されます。背景の上に描く間は背景をロックし、完成した要素はうっかりドラッグして動かさないようにロックしておきましょう。
メニューからは、オブジェクト › ロック › 選択(⌘2)で選択しているものをロックし、オブジェクト › すべてをロック解除(⌥⌘2)ですべてのロックを解除します。ロックされたものは操作の対象にできなくなるため、選択したオブジェクトをロックすると選択からも外れます。
選択とアクティブなレイヤー
パネルでオブジェクトの行をクリックすると、カンバス上でそのオブジェクトが選択されます。⇧、⌘、または Ctrl を押しながらクリックすると、別のオブジェクトが選択に追加されるので、ページ上の小さなシェイプを探さなくても、リストから選択範囲を組み立てられます。
レイヤーの行をクリックした場合は動作が異なります。そのレイヤーがアクティブなレイヤーになり、左端に色の付いたバーが表示されます。新しく描いたり、配置したり、ペーストしたりしたアートワークはアクティブなレイヤーに追加されるので、作業を始める前にレイヤーをクリックしておけば、どこに追加されるかを決められます。新しいレイヤーを作成すると、すぐにそのレイヤーがアクティブになります。
各行の右側にある選択の四角形が、パネルとカンバスを結び付けます。現在の選択範囲の一部を含むすべての行にレイヤーの色で表示され、実際に選択されているオブジェクトでは塗りつぶされます。印はツリーをさかのぼって表示されるので、リストを見下ろすだけで、何が選択されているかと、それらのオブジェクトがどのレイヤーやグループにあるかの両方がわかります。
カラーラベル
各レイヤーには、決まった順序(ライトブルー、レッド、グリーン、ブルー、イエローなど全 12 色で、レイヤーを追加するたびに循環します)からカラーが割り当てられます。このカラーがレイヤーのラベルです。レイヤー名の横のチップとして表示され、パネル内の選択マークのほか、そのレイヤーのオブジェクトについてカンバス上に描かれる選択のハイライトとバウンディングボックスの色にもなります。目的はすばやい識別です。何かを選択してボックスが緑色で表示されれば、それが緑色のレイヤーに属していることがすぐにわかります。ドキュメントを、わかりやすい名前と異なるカラーを持ついくつかのレイヤーに分けておくと、どこに何があるかを把握するのがずっと楽になります。
クリッピングマスクと不透明マスク
レイヤーやグループは、独自の不透明度と描画モードを持つことができ、どちらも透明パネル(ウィンドウ › 透明、⇧⌘F10)で設定します。同じパネルには、グループの描画モードが下にあるものとではなくグループ内でのみ混ざるようにする描画モードを分離と、グループ内の各オブジェクトが背後のオブジェクトを透かさずに隠すグループの抜きもあります。マスクはさらに一歩進んで、あるオブジェクトを使って他のアートワークをどこに、どの程度表示するかを制御します。
クリッピングマスク
クリッピングマスクは、アートワークをシェイプで切り抜きます。2 つ以上のオブジェクトを選択してオブジェクト › クリッピングマスク › 作成(⌘7)を選びます。選択した最前面のオブジェクトがクリッピングパスになり、その下にあるものはすべてそのシェイプの内側だけに表示され、残りは切り取られます。結果はクリップグループになり、パネルでは破線のアイコンで表示されます。解除(⌥⌘7)で元に戻し、オブジェクトを取り出せます。写真や細かいパターンを、円、文字、上に描いた任意のアウトラインで切り抜くのに使います。
不透明マスク
不透明マスクは、別のオブジェクトの明るさに応じてアートワークをフェードさせます。2 つ以上のオブジェクトを選択してオブジェクト › クリッピングマスク › 不透明マスクを作成を選ぶか、透明パネルのマスク作成を使います。最前面のオブジェクトがマスクになります。マスクが明るい部分では下のアートワークが完全に表示され、暗い部分ではアートワークが消えるようにフェードし、その間のグレーは部分的な透明になります。不透明マスクを解除で再び分解できます。白から黒へのグラデーションをマスクとして使うと、画像を一方の端に向かってフェードアウトさせたり、単一の不透明度の値では作れない柔らかなビネットやブレンドを作ったりできます。
ドキュメントの整理
早めに少し構造を作っておくと、後で探し回る手間が大きく省けます。役に立つ習慣をいくつか紹介します。
- 役割ごとに 1 つのレイヤー
- 背景、メインのアートワーク、テキストを、名前を付けた別々のレイヤーに分けておきます。そうすれば、絵の一部分全体を 1 回のクリックで非表示、ロック、並べ替えできます。
- 触れないものはロックする
- 作業中のレイヤーの周りのレイヤーをロックしておけば、うっかりクリックやドラッグをしても乱れません。必要になったら ⌥⌘2 で再びロックを解除します。
- 一緒に動くものはグループにする
- 1 つの要素のパーツをグループにまとめて 1 つのオブジェクトとして振る舞わせ、レイヤーはドキュメントの大きな区分のために取っておきます。
- 描く前にアクティブなレイヤーを設定する
- 追加したいレイヤーを先にクリックしておけば、新しいアートワークがそのとき一番上にあったものの上ではなく、正しい場所に入ります。
- カラーを手がかりにする
- レイヤーのカラーを頼りにしましょう。選択のハイライトがレイヤーのチップと同じ色なら、何も開かなくても、そのオブジェクトがどこにあるかが正確にわかります。