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ドキュメントとアートボード

ドキュメントは、開いて描画し、保存する作業の単位です。どのドキュメントにも 1 つ以上のアートボードがあります。アートボードは、印刷や書き出しの対象となるアートワークの範囲を示す長方形です。このページでは、ドキュメントの作成とサイズの設定、後からの設定変更、そして 1 ページだけの場合から 1 つのファイルに複数のアートボードを持つ場合まで、アートボードの扱い方を説明します。以下のショートカットでは、Windows と Linux では ⌘ を Ctrl、⌥ を Alt と読み替えてください。

新規ドキュメントの作成

ファイル › 新規…(⌥⌘N)を選ぶと、新規ドキュメントダイアログが開きます。ダイアログの左側には用意されたプリセットが並び、右側のプリセットの詳細では、ドキュメント名と正確なサイズ、単位、方向、アートボードの数、裁ち落とし、カラーの扱いを設定します。プリセットを選ぶとこれらの欄が埋まるので、必要に応じて調整してから作成をクリックします。閉じるをクリックすると、ドキュメントを作らずに終了します。

新規ドキュメントダイアログ。左側にプリセットのタブとカード、右側に名前、サイズ、単位、方向、アートボード、裁ち落とし、カラーの欄を持つプリセットの詳細があります。
新規ドキュメントダイアログ。左側のプリセットカードでサイズが入力されます。右側のプリセットの詳細パネルで、正確な幅、高さ、単位、アートボード数、裁ち落としを設定してから作成をクリックします。

空のドキュメントプリセット

上部のタブは、用途別にプリセットをまとめたものです。タブをクリックするとそのカードが表示され、カードをクリックするとサイズ、単位、そして(印刷用の場合は)裁ち落としが読み込まれます。カードをダブルクリックすると、すぐにドキュメントが作成されます。

グループ内容
印刷レター、リーガル、タブロイド、A3、A4、A5、名刺。インチまたはミリメートル単位で、それぞれ標準的な印刷用の裁ち落としが設定済みです。
Web一般的な画面やデスクトップのサイズ(ピクセル単位)。1366 × 768、フル HD(1920 × 1080)、ノートパソコンのサイズ、大きな Web サイズ、そして SNS 向けの正方形と縦長のサイズ(1080 × 1080 と 1080 × 1920)です。
モバイルインターフェイスデザイン向けの、スマートフォン、大型スマートフォン、タブレット、大型タブレット、ウォッチのサイズ(ピクセル単位)です。
フィルムとビデオHDTV 1080p、HD 720p、UHD 4K、シネマ 2K のフレームサイズです。
アートとイラストポスター、ポストカード、1000 × 1000 の正方形のカンバス、512 × 512 のアイコン、正方形のスケッチブックページです。

プリセットはあくまで出発点です。どのプリセットにもないサイズを入力してもかまいません。その場合は、どのカードも強調表示されないだけです。

名前、サイズ、単位、方向

名前欄では、タブや書き出したファイル名に使われるドキュメントの名前を設定します。その下の W と H は、アートボードの幅と高さです。単位メニューでは、これらを含む寸法の表示単位を、ピクセル、ポイント、ミリメートル、センチメートル、インチ、パイカから選びます。単位を変更しても欄の数値は消えずに換算されるので、ミリメートルからインチに切り替えても実際のサイズは変わりません。

縦置きと横置きの 2 つの方向ボタンで、サイズの向きを切り替えます。現在の幅と高さに合わないほうのボタンを押すと、幅と高さが入れ替わります。逆に、縦横が反転する幅と高さを入力すると、方向の表示もそれに合わせて切り替わります。たとえば A4 のページを、数値を打ち直さずに縦長にも横長にもできます。

アートボード、列数、間隔

ドキュメントは、最初から複数のアートボードを持つこともできます。アートボードでは、同じサイズのアートボードをいくつ作るかを設定します。列数では、次の行に移るまでに横に並べる数を、間隔ではアートボード同士の間隔を設定します。4 つのアートボードを 2 列にすると 2 × 2 のブロックになり、同じ 4 つを 1 列にすると縦一列に積み重なります。各アートボードには アートボード 1、アートボード 2 のように名前が付き、後から名前の変更や並べ替えができます。

実際には複数のページや複数のサイズからなる仕事は、この方法で始めます。たとえば 6 ページの小冊子や、同じ画面のスマートフォン版、タブレット版、デスクトップ版を 1 つのファイルにまとめ、一緒に管理して一度に書き出す場合です。

裁ち落とし

裁ち落としは、印刷用にアートボードの周囲に設ける余白です。端まで届くアートワークを裁ち落とし領域まで伸ばして描いておけば、用紙を断裁したときに切り口に白い隙間が残りません。4 つの欄で天、地、左、右の裁ち落としを個別に設定します。欄の間にあるリンクボタンは初期状態でオンになっており、4 辺を等しく保つので、1 つの値を入力すると他の欄も埋まります。辺ごとに異なる裁ち落としを設定するには、リンクをオフにします。印刷用のプリセットには裁ち落としがあらかじめ入力されています。画面や動画の作業では通常不要なので、0 のままにしておきます。

詳細設定:カラーモードとラスタライズ効果

詳細設定には、ドキュメントの性格を決める 2 つの項目があります。カラーモードは、画面に表示するものには RGB、商業印刷に回すものには CMYK を選びます。ラスタライズ効果では、ドロップシャドウ、ぼかし、光彩など、ピクセルに変換する必要がある効果をレンダリングする解像度を設定します。画面用は「スクリーン(72 ppi)」、中間は「標準(150 ppi)」、印刷用は「高解像度(300 ppi)」です。アートワークの最終的な用途に合わせて設定すれば、これらの効果が粗くなりすぎることも、不必要に重くなることもありません。

後から設定を変更する

これらの設定は作成時に固定されるわけではありません。ファイル › ドキュメント設定…(⌥⌘P)を選ぶと、作業中のドキュメントの主な設定を再び開けます。単位、カラーモード、アクティブなアートボードの幅と高さ、4 辺すべてに適用される 1 つの裁ち落とし値、そしてラスタライズ効果の解像度です。たとえば画面用のモックアップを印刷に回すことになって CMYK に切り替えるときや、アートボードのサイズが間違っていたときなど、作業の途中で仕事の形が変わったときに使います。アートボードの追加、個々のアートボードのサイズ変更、辺ごとに異なる裁ち落としの設定を後から行うには、このダイアログではなく、以下で説明するアートボード用のツールを使います。

アートボード

アートボードは、完成した作品の範囲を定める長方形です。印刷や書き出しは、その端で切り抜かれます。描いたものはすべて共有のカンバス上に置かれますが、出力されるのはアートボード上にあるものだけです。ドキュメントには常に少なくとも 1 つのアートボードがあり、作業に応じていくつでも増やせます。1 つのファイルに複数のアートボードを持たせると、関連する作品をまとめておけます。パンフレットの各ページ、ポスターとその SNS 向けの切り出し、アイコン一式などを、同じカラー、スタイル、シンボルを共有したまま管理できます。

アートボードツール

アートボードツール(⇧O)では、選択ツールでアートワークを編集するのと同じように、カンバス上で直接アートボードを編集します。このツールを選択した状態で、次の操作ができます。

アートボードを追加
カンバスの空いている部分で長方形をドラッグします。ドラッグ中に ⇧ を押すと正方形を保ち、⌥ を押すと中心から描きます。角にはサイズが随時表示されます。アートボードとして小さすぎるドラッグは破棄されます。
アートボードを移動
アートボードの内側からドラッグすると、その上のものごと移動します。⇧ を押すと移動を 1 方向に制限します。
アートボードのサイズを変更
アクティブなアートボードの辺や角にあるハンドルをドラッグします。角で ⇧ を押すと、縦横比を保ちます。
アートボードをアクティブにする
アートボードをクリックすると選択されます。アクティブなアートボードには、ハンドルとサイズが表示されます。
アートボードを削除
アートボードがアクティブな状態で Delete または Backspace を押します。最後の 1 つのアートボードは削除できないため、ドキュメントには常に 1 つは残ります。

アートボードツールをダブルクリックすると、アクティブなアートボードのアートボードオプションダイアログが開きます(後述)。

アートボードパネル

パネルドックのタブから開きます。すべてのアートボードが、番号、名前、ピクセルサイズとともに一覧表示されます。行をクリックすると、そのアートボードがアクティブになり、同時にウィンドウに合わせて表示されます。複数のアートボードを持つドキュメントでページ間を移動するには、これが最も手早い方法です。行をダブルクリックすると、そのアートボードのアートボードオプションが開きます。パネル下部のボタンで、新しいアートボードの追加とすべてのアートボードの再配置ができます。新規アートボードは作成 › アートボードメニューにもあり、直前のアートボードと同じサイズの新しいアートボードをそのすぐ右に配置します。

アートボードオプション

アートボードオプションでは、ドラッグではなく数値で 1 つのアートボードの詳細を設定します。アートボードの名前、内蔵サイズのいずれかにサイズを変更するプリセットメニュー、幅と高さ、カンバス上の X と Y の位置、そして方向を設定できます。アートボードパネルでアートボードの行をダブルクリックするか、アートボードツールをダブルクリックするか、作成 › アートボード › アートボードオプション…から開きます。アートボードにはわかりやすい名前を付けておく価値があります。名前は書き出し時のファイル名の一部になるので、アートボード 1 や アートボード 2 よりも cover や back のほうが、書き出した後に扱いやすくなります。

アクティブなアートボード

常に 1 つのアートボードがアクティブになっており、いくつかのコマンドはそのアートボードだけを対象にします。選択 › 作業アートボードにあるすべてのオブジェクト(⌥⌘A)は、そのアートボード上のアートワークだけを選択します。アートボードはそれぞれ独自のグリッドを持つので、設定したグリッドはアクティブなアートボードに適用されます(グリッドのページを参照)。プリントではアクティブなアートボードが印刷されます。アクティブなアートボードを切り替えるには、アートボードツールでアートボードをクリックするか、アートボードパネルの行をクリックします。

アートボードの再配置

作成 › アートボード › すべてのアートボードを再配置…、またはアートボードパネルの再配置ボタンを使うと、すべてのアートボードを一度にきれいに並べ直せます。各アートボードのアートワークも一緒に移動するので、取り残されるものはありません。レイアウトメニューでは、行方向または列方向に埋めるグリッド、あるいは 1 行または 1 列を選べます。列数ではグリッドの横に並べるアートボードの数を、間隔ではアートボード間の間隔を設定します。作業中にアートボードがばらばらになってしまったファイルを整理したり、適当な場所に描かれたアートボード一式を整列したりするときに使います。

アートボードを画面に合わせる

アートボードを画面に収めるには、表示 › アートボードを全体表示(⌘0)を使います。アクティブなアートボードがウィンドウいっぱいに拡大されます。すべてのアートボードを全体表示(⌥⌘0)は縮小してすべてのアートボードを一度に表示するので、複数のアートボードを持つドキュメント全体を見渡すのに便利です。100% 表示(⌘1)はズームを 100% にし、アートボード上の 1 ピクセルが画面上の 1 ピクセルになります。

アートボードごとに書き出される

アートボードは出力の単位です。書き出しではアートボードごとに 1 つのファイルが作られ、それぞれそのアートボードの端で切り抜かれ、アートボードの名前が付けられます。これこそが、複数のアートボードを持つファイルの利点です。小さなアートボードに 1 つずつ描いたアイコン一式や、3 つのアートボードに配置したスマートフォン、タブレット、デスクトップのレイアウトが、一度の操作で整った個別のファイルとして書き出されます。形式や倍率の選択、選択したアートボードの書き出し、プリントについては、開くと書き出しのページで説明しています。特にスクリーン用に書き出しではアートボードが一覧表示されるので、すべてを一度に書き出せます。